SSL化したWordPressをダウンタイムなし(サイトが表示されない期間なし)でConoHa WING(コノハウィング)へ移行する手順をまとめています。
- サーバーを移行するとサイトが表示されなくなる?
- ドメインそのままでブログを引越しをできる?
ConoHa WINGにサーバー移行・移転をしたいけれど、このようなことが心配になってしまいますよね。
でもこの記事の手順を踏めば、サイトが見れなくなってしまう心配なし、ドメインもそのままで安全にサーバー移行することが可能です。
無料SSL証明書を利用していると、サーバー移行時にSSLが無効になる期間(SSLダウンタイム)が生じます。その間はサイトが表示されなくなってしまいます。
参考記事エックスサーバーへのWordPress移行を検討しているなら以下の記事が参考になります。
ドメインそのまま エックスサーバーにWordPress移行する手順と移行できない時の対処法
ConoHa WINGにサーバー移行する手順
それでは早速ConoHa WINGに移行を始めます。大まかな手順は以下のようになります。
- ConoHa WINGの申し込み
- ドメイン追加
- WordPressかんたん移行(※)
- DNS設定・Aレコードを移行元サーバーに設定
- ネームサーバーをConoHaに変更
- SSL有効化
- サイト確認
- AレコードをConoHaに戻す
- サーバー移行完了
※「❸WordPressかんたん移行」を行うタイミングは「❻SSL設定後」でも問題ありません。
SSLダウンタイムなしでコノハウィングに移行するポイント
非SSLサイトは簡単にサーバー移行することができるのですが、SSL化したサイトの場合、事前設定をしないとSSLが無効になり、SSLエラーでサイトが表示されない・・・・という事態になります。
ConoHa WINGでSSLを設定するには、以下のいずれかを行なっていることが必要です。
- ネームサーバーがConoHa WINGのものになっている
- Aレコード(wwwあり・なし)がConoHaサーバーを参照している
この記事ではAレコードを編集、ネームサーバーをConoHaにして、移転前にSSLを有効にする方法を行います。
上記移行手順の4〜6がこの作業にあたります。
- DNS設定・Aレコードを移行元サーバーに設定
- ネームサーバーをConoHaに変更
- SSLを設定
SSL設定後、サイト表示が問題ないことを確認したらAレコードをコノハウィングに戻します(手順8)。
- AレコードをConoHaに戻す
詳しい移行手順
ConoHa WINGの申し込み
まず最初はConoHa WINGとサーバー契約しましょう。
ConoHa WINGは、表示速度が速い、WordPressが速いと評判で有名ブロガーさんたちも利用しているGMOのレンタルサーバーです。エックスサーバーともよく比較されます。
ConoHa WINGの詳しい機能やメリットデメリットは以下の記事で解説しています。
ドメイン追加
ConoHa WINGの申し込みが完了したら、コントロールパネル(サーバー管理画面)にログインします。
ConoHa WINGに移行するドメインを追加します。
- サイドバーメニューの「ドメイン」を選択
- ドメイン画面右上の「+ ドメイン」をクリック
- 「新規ドメインを追加」でドメインを入力
無料独自SSLは「利用する」「利用しない」どちらでも問題ありません。(この時点では「利用する」にしてもSSLは有効にはなりません)
「失敗しました。サイトにアクセスできません。Aレコード(wwwあり・なし)やネームサーバーにConoHaのものを設定してください」と表示されますがこのままにしておきます。
「ドメインが稼働中になりました」となったら完了です。
WordPressかんたん移行(※)
移行元サーバーからWordPressのデータ移行を行います。
ConoHa WINGには「WordPressかんたん移行」ツールがあるのでこれを使って移行します。
ただし下記条件に当てはまるとかんたん移行が使えません。
かんたん移行が使えない場合は、DuplicatorやAll-in-One WP Migrationなどの移行系プラグインを使うか、手動でのデータ移行になります。
WordPressかんたん移行の流れ
- サイドバー「サイト管理」>「サイト設定」>「WordPress」の順で選択
- WordPress画面右上にある「+WordPress」ボタンをクリック
- インストール方法「かんたん移行」を選択
- テスト移行:「利用しない」を選択
- 移行元URL:移行するWordPressアドレスを入力
- サイトURL:WordPressのサイトURLを入力
- 移行元ユーザー名:移行元WordPressのユーザー名(管理者権限あり)
- 移行元パスワード:移行元WordPressのユーザーパスワード
- データベース:ConoHa WINGのデータベース。入力された情報のままでもOK。
- コントロールパネルプラグイン:インストールするにチェックのまま
- 自動キャッシュクリアプラグイン:インストールするにチェックのまま
- WordPressテーマインストール:「利用しない」を選択
- 「保存」をクリック
移行するドメインが選択されているか確認します。
⑤〜⑦は移行元WordPressの情報を入力します。
保存ボタンをクリックするとWordPress移行が始まります。
「失敗しました。移行元サイトのログイン確認」となる場合
移行元のWordPressプラグインが原因でエラーになってしまうことがあります。
- セキュリティ系プラグイン(Site Guard、All in One Security and Firewall, Wordfenceなど)
- 2段階認証・画像認証プラグイン
- キャッシュ系プラグイン(LiteSpeed Cache など)
上記のプラグインを使っている場合は、無効にしておきます。
ConoHa WINGのサポートページでは以下のプラグインも移行エラーになると記載されています。
※移行元のサイトにて以下のプラグインを利用している場合にエラーとなる可能性がございます。
・Yet Another Related Posts Plugin
ご利用ガイド WordPressかんたん移行を利用する - ConoHa WING
・WassUp Real Time Analytics
・WordPress Popular Posts
・wp slims stat
・Broken Link Checker
・count per day
「入力形式が不正です」と表示されるエラー
移行元WordPressのパスワードが、ConoHaのパスワードポリシーに違反していると「入力形式が不正です」と表示されてしまいます。
移行元WordPressのユーザーパスワードを以下のように変更します。
8~70文字、半角英数字記号を組み合わせたパスワード
移行中はステータスを確認できます
移行が始まるとステータス欄で進行具合を確認できます。
かんたん移行完了
ステータスが100%になったらデータ移行が完了です。この時点ではまだSSLは有効になっていないのでURLはhttpになっています。
DNS設定・Aレコードを移行元サーバーに設定
次に移行するドメインのDNSレコードを編集します。
まず移行元サーバーでIPアドレスを控えておきます。
エックスサーバー、シンレンタルサーバーなどはサーバーパネル>サーバー情報からIPアドレスが確認できます。
Whois検索でドメインからIPアドレスを調べることもできます。
>>>ドメイン/IPアドレス サーチ 【whois情報検索】
DNS・Aレコードを編集する
- サイドバーメニュー「DNS」を選択
- ドメイン名をクリック
- 右側にあるえんぴつアイコンをクリック
- タイプ「A(通常」、名称「@」、「www」の項目のIPアドレスを移行元サーバーのIPアドレスにします
- TTLを「60」にする※
- 保存をクリック
Aレコード「@」、「www」の値を、移行元サーバーのIPアドレスに変更、TTLを60に変更します。
※もともと入っていたIPアドレスはあとで値を戻すときに使うので、メモ帳などにコピペしておきましょう!
※TTLを短くするとDNSの反映時間が速くなるのですが、DNSサーバーに負荷がかかる場合もあるので移行後は元の値に戻しておきましょう。
ネームサーバーをConoHaに変更
DNSレコードを編集したら、ドメインのネームサーバーをコノハウィングのネームサーバーに変更します。
Aレコードは移行元サーバーのIPアドレスになっているので、ネームサーバーをコノハにしてもサイトは移行元サーバーが表示されるということになります。
コノハのネームサーバー
ns-a1.conoha.io
ns-a2.conoha.io
ns-a3.conoha.io
ネームサーバーの変更は、ドメインを管理しているところで行います。
エックスサーバーでネームサーバー変更する例
エックスサーバーでドメイン管理している場合はXserverアカウントにログインして変更可能です。
SSL有効化
ConoHa WINGのコントロールパネルに戻り、SSLの有効化をします。
SSLをONにする
- 「サイト管理」>「サイトセキュリティ」>「独自SSL」を選択
- 「無料独自SSL」をクリック
- 利用設定「ON」にする
- 「利用中」になればSSL有効化が完了
無料独自SSLを「ON」にすると「受け付けました」と表示されます。
SSLは「設定中」になります。
SSLが有効になると「利用中」になります。これで完了です。
「失敗しました。」と表示される
Aレコードやネームサーバー変更直後だと「失敗しました。サイトにアクセスできません。Aレコード(wwwあり・なし)やネームサーバーにConoHaのものを設定してください」と表示されます。
「設定中」のまま変わらない
ドメインによっては、「設定中」のまましばらく変わらない場合があります。
私が作業した時も、設定中→利用中になるまで2時間超かかりました。
ここは気長に待ちましょう。
サイト確認
SSL有効化が終わると、WordPressの設定画面でもURLがhttpsから始まるURLに変わっています。
移行したWordPressが問題なく表示されるかどうか確認します。この段階でWordPressにアクセスしても移行元サーバーのWordPressが表示されてしまうので、hostsファイルを編集して確認します。
hostsファイルの場所:
Windows:
C:\windows\system32\drivers\etc\hosts
Mac:
/etc/hosts
ConoHa WINGのIPアドレス、ドメインを追記します。
123.45.678.000 example.com
123.45.678.000 www.example.com
※編集、上書きするには管理者権限が必要です。
動作確認が終わったら、hostsファイルに書き込んだ内容は削除して元の状態に戻しておきます。
AレコードをConoHaに戻す
最後に、編集したAレコードをConoHaのIPアドレスに戻します。
サーバー移行完了
以上で、ConoHa WINGへサーバー移行完了です!お疲れ様でした!
補足:
WordPressかんたん移行したWordPressには、身に覚えのないプラグインがインストールされています。ConoHa WINGのWordPress自動インストール機能で一緒にインストールされるプラグインです。
プラグイン名 | プラグインの機能 | |
---|---|---|
Akismet Anti-spam | コメントスパム対策用 | 不要なら削除してOK |
ConoHa WINGコントロールパネルプラグイン | WordPressの管理画面からConoHaのサーバー設定ができる | あったら便利かも |
ConoHa WING自動キャッシュクリア | 記事投稿時にConoHaサーバーのキャッシュをクリアする | 入れておいたほうがいい |
Hello Dolly | WordPressと一緒にインストールされる 特に機能はない | 削除してOK |
SiteGuard WP Plugin | セキュリティ対策ができる | 不要なら削除してOK |
TypeSquare Webfonts for ConoHa | モリサワWebフォントが簡単に使える | 不要なら削除してOK |
Wing WordPress Migrator | データ移行用 | 移行が終わったら削除してOK |
サイトの表示が遅いと感じている、もっと安くて高機能なサーバーに乗り換えたいと思っているなら、「サーバー処理速度国内最速」を謳っているConoHa WINGを試してみてください!
ConoHa WINGの詳しい機能やメリットデメリットは以下の記事で解説しています。