法人向けレンタルサーバーってどういうもの?
会社のホームページを作るのにどんなレンタルサーバーを使えばいい?
ビジネスで使うのにおすすめのレンタルサーバーは?
レンタルサーバーを検討中の中小企業のウェブ担当者の疑問を解決します。
この記事でわかること
- 中小企業・法人におすすめのレンタルサーバーが比較ができる
- 中小企業・法人が使うレンタルサーバーを選ぶポイントがわかる
- 利用用途別におすすめの法人レンタルサーバーがわかる
企業がビジネスで使うレンタルサーバーは規模や目的にあったものを選択することが重要です。
格安レンタルサーバーはサーバー一台に多数のユーザーが収容されているので他のユーザーの影響を受けやすく、サーバーに負荷がかかるとウェブサイトの表示遅延やメール障害などが発生する可能性が高くなります。
ウェブサイト・メールの障害発生はビジネス機会の損失となる大きな問題です。
そこで本記事では、実際使用して確かめたビジネスに最適な安定稼働・セキュリティ・サポートの充実した法人向けレンタルサーバーの厳選3社を紹介します。
おすすめの法人向けレンタルサーバー 厳選3社
- CPIレンタルサーバー シェアードプラン 「ビジネス スタンダード」
アクセスに強い安定性と法人向けの充実した機能、バックアップ&リリースなど開発環境が揃ったプラン。 - エックスサーバービジネス
国内シェアNo.1のエックスサーバーの最新スペックを備えたビジネス向けプラン。 - iCLUSTA+ by GMO
月額費用を抑えつつ、セキュリティや安定性を確保しサポートも充実のコスパ重視プラン。
法人向けレンタルサーバー厳選3社の比較一覧
CPIレンタルサーバー ![]() | ![]() Xserverビジネス ![]() | ![]() iCLUSTA+ by GMO ![]() | |
---|---|---|---|
Web,メール,バックアップが別サーバで負荷分散、ステージングあり | 速さと安定を求めるなら国内シェアNo.1。co.jpほかドメイン無料 | 安定稼働で実績がある、大容量でコスパがいいサポートも充実 | |
初期費用 | 無料 ※12ヶ月契約時 | ¥16500 | 無料 ※24,36ヶ月契約のみ 通常¥5500 |
月額料金 | ¥4840 ビジネス スタンダード ※12ヶ月契約 | ¥3762 スタンダード ※36ヶ月契約 キャンペーン中 キャッシュバックで¥2633 | ¥1155 レギュラー ※36ヶ月契約 |
サーバ稼働率保証(SLA) | 100%保証 (主契約ドメインのウェブサーバのみ) | 99.99%以上保証 | 100%保証 |
Webサーバ | Apache | Nginx | Apache |
ディスク容量 | ウェブ 300GB (主契約) メール 200GB | 300GB | ウェブ 360GB メール 140GB |
転送量 | 制限なし | 無制限 | 上限なし |
独自ドメイン (マルチドメイン) | 10 | 無制限 | 91個 |
データベース | MySQL: 5 PostgreSQL: 1 SQLite | MySQL無制限 SQLite | MySQL無制限 |
無料独自SSL |
CPI SSL 全てのドメイン対応 | Let's Encrypt |
アルファSSL |
自動バックアップ | 30日 | 14世代 | 有料オプション ¥1100/月 |
Webサイト高速化 | HTTP/2 | HTTP/2 Xアクセラレータ | HTTP/2 |
セキュリティ系 | WAF | WAF Web改ざん検知 | 海外Webアクセス制限機能 簡易Web脆弱性診断 |
メールアドレス | 制限なし | 無制限 | 無制限 |
メールマガジン メーリングリスト | |||
サポート | 平日10:00~18:00 メール | 平日10:00~18:00 電話・メール | 年中無休 電話・メール・FAX |
お試し期間 | 10日間 | 10日間 | 30日間返金保証 |
公式サイト | CPI 公式![]() | Xserverビジネス 公式 | iCLUSTA+ 公式 |
詳細ページ | CPI もっと詳しく | Xserverビジネス 詳細 | iCLUSTA+ 詳細 |
CPI(シェアードプラン ビジネス スタンダード)

CPIは官公庁や法人利用が90%というKDDIグループのレンタルサーバーです。
専用サーバーから共用サーバまでプランがありますがシェアードプラン(共用サーバー)は月額4180円(税込、12ヶ月払いの場合)となっています。
実際、私の会社でもCPIのシェアードプランを利用しています。(プランはビジネススタンダード以前のプラン)
CPIシェアードプランのおすすめ機能
- 十分なディスク容量
- Webサーバー、メールサーバーが別々なのでどちらかでトラブルがあっても影響を少なく抑えるリスク分散
- メールアカウント1000でもストレスなく使える安定環境
- 公開サーバ、テストサーバ、バックアップサーバが標準装備されていてクリックだけでリリースやバックアップ、リストアが行えるSmartRelease機能がある
- 30世代の自動バックアップ完備
- WAF(Webアプリケーションファイアウォール)が標準提供
などが私がCPIを利用していて嬉しいと感じる機能です。
中でもSmartRelease機能は本当に便利ですね。本番環境へリリースする前のステージング(テスト)環境が用意されているのは事前確認に重宝していて、また同じサーバー環境なのでリリース後に動かないなどトラブルもありません。
無料独自SSLが利用できるようになったら満足度は100%と言ってもいいでしょう。
CPI シェアードプランはこんな企業におすすめです
- 従業員が多く、メールアカウントが多数必要な企業
- 自社ウェブサイトには事前チェックが必須、テストから本番リリースまでスムーズにできる環境が欲しい
- 自動バックアップ・リストアを万全にしたい
エックスサーバービジネス

個人に人気のエックスサーバーに、法人向け機能を追加したのがXserverビジネスです。
エックスサーバーの安定性と高性能なサーバー構成にプラスして、SLA保証やWeb脆弱性チェックなどの安心感もプラスされたビジネス仕様のサーバープランとなっています。
利用料金30%キャッシュバック
Xserverビジネス(全プラン)12ヶ月以上契約で、初期費用無料になるキャンペーン中です。
2023年4月4日(火)12:00 まで
エックスサーバービジネスのおすすめポイント
- エックスサーバー同様のウェブサイト高速表示
- 独自ドメインが無料になる特典がある
- サーバー移転を無料設定代行してくれる
- 簡単にホームページが作れる、無料制作サービス
- 高機能なスパムメールフィルタを利用可能
- Web改ざん検知機能がある
サーバー移転作業も代行してくれるサービス
エックスサーバービジネスではメールアドレスの作成などサーバーの基本設定を始め、他社からエックスサーバービジネスへのサーバー移転作業も無料で代行してくれます。
サーバーの移転作業はサイト・メールをダウンなく移転するのは初心者では難しい作業なので、代行してくれれば安心できます。
コーポレートサイトをWordPressで簡単に制作可能
エックスサーバービジネスで独自に開発されたWordPressテーマを使ってコーポレートサイトを制作することができます。メインビジュアルとなる写真素材は有料素材サイトPIXTAから利用可能。
高品質なコーポレートサイトを簡単に作ることができます。WordPressなのでページの更新や追加も自社でできるからコストをかけずに自社サイトが運営できます。
エックスサーバービジネスはこんな企業におすすめです
- 自社サイトをコストをかけずに制作したい
- サーバー移転に詳しいスタッフがいないので代行して欲しい
- 独自ドメインもサーバーと一緒に管理したい
iCLUSTA+ by GMO

GMOグローバルサインが運営する共用レンタルサーバー「iCLUSTA+ by GMO」。iCLUSTA+(アイクラスタプラス)は、サーバーの安定稼働を最重視しているレンタルサーバーといった感じを持ちます。
高い安定性と手厚いサポート体制が魅力です。以前、年明けのお正月休み中にサポートへ問い合わせしたら数時間後に返信が来ました。
iCLUSTA+のサポートは24時間365日、メール・電話・ファックスで対応しています。
iCLUSTA+のおすすめポイント
- 2005年からサービス開始、長い運営実績があり信頼性が高い
- 法人向けレンタルサーバーの中では月額費用が安い
- サーバー稼働率をWebサイト上で公表、サーバー稼働率が高い
- 24時間365日の有人サポートがある
- 通常有料SSLとして提供されている「アルファSSL」が無料で提供されている
- MovableTypeの商用ライセンスが付いている(レギュラープラン以上)
サーバーの稼働率が高い
サーバー稼働率100%保証をはじめ、公式サイトでは毎月のサーバー稼働率を公表しています。過去のサーバー稼働率も載っているので、iCLUSTA+のサーバーがどれだけ安定しているかを知ることができます。
無料独自SSLはアルファSSL
レンタルサーバーでは無料SSLの「Let's Encrypt」が提供されていることが多いです。
iCLUSTA+ではLet's EncryptではなくグローバルサインのアルファSSLが無料SSLとして提供されています。
ビジネスに必要なアプリも完備
WordPressのインストールはもちろんありますがMovableTypeの商用ライセンスがプランに含まれています。
MovableTypeは静的HTMLを出力することができるのでWordPressに比べて表示速度が速い環境が作れるというメリットがあります。
またセキュリティ面でも危険性が少ない、国産CMSなので日本語サポートが受けられるなどから法人に人気があります。
MovableTypeの最大のネックは商用利用は有償ということ。
iCLUSTA+ではこの本来有料のMovableTypeの商用ライセンスが付属しているのです。(レギュラープラン以上)
その他、有料オプションとしてですがBindUpや同じGMOグループのネットショップ構築サービスMakeshopを同じサーバー内で利用することができるので、本格的なネットショップ運営、自社サイト構築ができるのが魅力です。
iCLUSTA+はこんな企業におすすめです
- できるだけコストを抑えたいが、サーバーの安定性も重視したい
- WordPressよりセキュリティリスクが低いMovableTypeを使いたい
- 土日や夜間でも対応してくれるサポートが欲しい
法人向けレンタルサーバーの選び方、チェックポイント
サーバーの安定性、稼働率
法人向けレンタルサーバーはサーバーが安定して稼働することは非常に重要な要素です。
サーバーも個人のパソコンと同じように機械ですので不具合が起きるともあります。機器の故障や障害に対して対策がしっかりしているレンタルサーバー会社かどうかを見ましょう。
レンタルサーバー会社ではサーバー稼働率を公表している会社や、サービスの品質を保証する制度であるSLAを導入しているサーバ会社はサーバの安定稼働に自信がある会社と言っていいでしょう。
SLA(品質保証制度)とは
「Service Level Agreement」の略で「品質保証制度」と訳されます。その名の通り、サービスの品質を保証するものでサービス提供者が定めた水準を下回った場合、サービス料金を返金するというものです。
SLAの保証内容はサーバ各社によって異なります
SLAの内容は会社によって異なるのでSLAを重視するならチェックが必要です。保証されるのはWebサーバーのみという場合もあります。
また保証に伴う返金申請は自分から申請しなくてはならないので、もしダウンタイムが生じてSLA申請する場合は、申請方法を把握しておきましょう。
サーバースペック
サーバがRAID構成になっている、負荷分散されているか
RAID(レイド)とは複数のハードディスクを1台の装置として冗長運用する技術でRAIDを利用することでハードディスクの障害が起きても可能な限りシステムを止めることなく運用することができます。
またサーバーへのアクセスが多いと負荷がかかり速度低下に繋がります。このような負荷を分散する機能はロードバランサーと呼ばれています。ロードバランサーは専用サーバやクラウドサーバでよく見られるのですが共用レンタルサーバーでは対応しているところは少ないようです。
しかし最近では共用サーバーでもリソースを保証してくれる料金プランも登場しています。多くのアクセスが見込めるサイトや他人の影響を受けたくない場合はそのようなサービスを導入しているかどうかを確認しましょう。
万一の備えも重要:バックアップ
万一の障害時のデータ消失に備えたバックアップも気をつけたい機能です。バックアップサービスは自動バックアップや任意のタイミングでのバックアップなどサーバー会社によってそれぞれ違います。
オプションサービスとして提供している場合もありますので標準サービスなのか追加費用が発生するのか確認が必要です。
安定したレンタルサーバーでもトラブルはつきもの。前述のようなRAID構成のサーバーであってもトラブルは起こりえます。
またサーバー筐体の障害ではなく、「ホームページデータを誤って削除してしまった」、「プログラムの不具合でデータが消えてしまった」、「不正アクセスによりデータが改ざんされてしまった」などが原因でウェブサイトデータを復旧させたいという事態が起こった時ために自動バックアップ機能があるレンタルサーバーを選びましょう。
バックアップはサーバー側で自動で行われるものと自身でサーバーコントロールパネルから手動で行うことができる機能もあります。
また自動バックアップを提供していても、バックアップデータを使って復旧する場合は有料である場合もあります。
セキュリティ
独自SSL
独自SSLはウェブサイトの常時SSL化するのに必須です。
今やサイトの常時SSL化は当たり前。サーバー証明書は年数万円するもので中小企業や個人事業主には敷居が高いものですが最近では無料独自SSLが利用できるレンタルサーバーも多くなりました。
厳選した3社でも無料で独自SSLが利用可能です。
しかし法人の場合、企業の実在証明であるEV SSLやOV SSLなどを導入したい場合もあると思います。上記のおすすめ法人向けサーバー3社でもEV SSL等の導入は可能です。
CPIレンタルサーバー![]() | エックスサーバー ![]() | iCLUSTA+ by GMO![]() | |
---|---|---|---|
無料独自SSL | CPI SSLサーバー証明書 | Let's Encrypt | アルファSSL |
CPI SSLサーバー証明書 | ¥40,700 | -- | -- |
セコムパスポート for Web SR3.0 | ¥88,000 | -- | -- |
ジオトラスト クイックSSLプレミアム | ¥61,930 | ¥13,200 | -- |
デジサート セキュア・サーバID | ¥77,880 | ¥63,800 | -- |
デジサート セキュア・サーバID EV | ¥205,700 | -- | -- |
グローバルサイン 企業認証SSL | -- | -- | ¥63,800 |
グローバルサイン EV SSL | -- | -- | ¥140,800 |
SecureCore 企業認証SSL | -- | ¥33,000 | -- |
SecureCore EV SSL | -- | ¥83,600 | -- |
SSL持ち込み | 不可 | 不可 | 可能 代行設置も無料 |
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参考他社で購入のSSL証明書持ち込み可の共有レンタルサーバー
SSLサーバー証明書の持ち込みとは? 共用レンタルサーバーでSSLを利用するときに他社で購入したSSLサーバー証明書を使う(インストール)することを言います。 専用サーバーやVPSサーバーの場合は自由 ...
続きを見る
WAF(ウェブアプリケーションファイアーウォール)
WAFはWebアプリケーションの脆弱性を利用した攻撃から保護する機能です。WordPressなどのCMSでサイトやブログ運営をする場合、WAFがあるかどうかもチェックポイントです。
世界で最も利用されているCMSであるWordPressは不正アクセス被害も多く聞かれます。
不正アクセスの多くは海外からのものであるため、海外IPアドレスのアクセス制限、コメントトラックバック制限、ログイン試行を繰り返すブルートフォースアタックを制限するなどの不正アクセス対策がレンタルサーバー側で提供されていればより安心です。
サポート体制で選ぶ
法人や個人事業主が利用するレンタルサーバーはサポート体制やサポート対応時間も重要です。
少人数の会社なら「困った事態が起きたときにサポートの対応が早かった」「メールで説明するのはどうも苦手、できれば直接電話で質問したい。」などのニーズに応えてくれるレンタルサーバーだったら嬉しいですね。
今まで問題なかったのに、突然メールの送受信ができなくなった・・・なんて経験はありませんか?
自分で解決できない時にサーバーサポートへ問い合わせをしたいけど、サポートセンターがメールのみの場合、どう説明したらいいのかわからない、エラーメッセージが出たけれどよくわからなかった・・・。
電話サポートがあればとりあえず状況を説明してどう対応したらいいかを知らせてもらえます。サーバやメールの知識に不安がある場合は、電話サポートがあるレンタルサーバーを選ぶといいですね。
またサポート対応時間も重要です。メールでは24時間受付をしていても、サポートからの回答は平日のみ。。。という場合もあります。サポート体制が24時間365日体制だったらいざという時にも安心です。どのようなサポート体制かを確認しましょう。
法人向け・ビジネス用レンタルサーバーのまとめ
以上、中小企業におすすめのレンタルサーバー3社と、レンタルサーバーを選ぶときのポイントを解説しました。
社員数が多くメールアカウント数も多数必要な場合は、ウェブとメールのサーバーが分離されていて影響を受けにくいCPIシェアードプランがおすすめです。
ウェブサイトからの集客やSEOを重視するならハイスペックなXserverビジネスがおすすめです。
毎月のコストを極力抑えたいけれど、常時SSLやCMSも使えて安定しているサーバーをお探しなら、iCLUSTA+ by GMOがおすすめです。
ビジネス用途のレンタルサーバー導入をお考え中の方に、最適なサーバーを選ぶ一助になれば幸いです。