GmailにはGmailアドレスだけでなく、例えば会社のメールアドレスやお店のメールアドレスなどの独自ドメインのメールアドレスや他のフリーメールアドレス(OutlookやYahoo!メールなど)を追加することができます。
仕事や趣味などで複数のメールアドレスを使っている場合、Gmailに集約させれば一括管理ができるのでとっても効率的にメール管理ができます。
また、受信だけでなく独自ドメインのメールアドレスとして送信もできるので、わざわざ会社に戻ってPCを開いてメール送信しなくてもGmailから会社のメアドで送信可能です。
本記事ではGmailに他のメールアドレスを追加して送受信する方法を解説します。
Gmailに他のメールアドレスを追加して受信する2つの方法+α
Gmailでプロバイダや独自ドメインなど他のメールアドレスで受信する方法は大きく二つあります。
1. GmailでPOP受信をする
一つ目は一般的なメーラーと同じように、GmailでPOP受信設定をしてメールを受信する方法です。
POP受信は、上記図のようにGmailが定期的にサーバーにアクセスし、メールが届いているかを確認してダウンロードするイメージです。
メール受信の流れ:
Gmailがサーバーにアクセスする → サーバーからメールをダウンロードする → Gmailでメールを受信する。
デメリットはメール受信の間隔はGmailで決められているため、リアルタイムでメール受信ができないことです。
2. Gmailへ自動転送する
二つ目はレンタルサーバーでGmailに自動転送するように設定してメールを受信します。
サーバーで自動転送設定することで、サーバーにメール届くと自動的にGmailに転送されます。
メールの流れ:
メールがサーバーに届く → サーバーがメールをGmailに転送する → Gmailでメールを受信する。
この方法ではほぼリアルタイムでメール受信ができますが、SPFやDKIMの設定をしておかないとGmailにメールが届かないor迷惑メール扱いになる可能性があります。
POP受信と自動転送の比較
メリット | デメリット | |
---|---|---|
POP受信 | ・Gmailでメールを一元管理できる | ・設定に手間がかかる ・メールの受信がリアルタイムでない |
自動転送 | ・設定が簡単 ・即メールが届く | ・SPFやDKIMの設定をしていないとメールが届かない可能性がある |
GmailアプリはIMAP受信ができる
Gmail以外のメールアドレスを受信する方法は2つと言ってしまいましたが、GmailアプリではIMAPでメール受信することができます。
但し使えるのは設定したデバイスのGmailアプリでのみになり、他の端末でGmailを開いても設定は同期されません。
1. GmailでPOP受信をする手順
ここからは実際にGmailでPOP受信をする設定方法です。POP受信設定と一緒にSMTP設定もすると、受信したアドレスでGmailから送信できるようなります。
設定はすべてブラウザ版のGmail(PC)で行います。Gmailアプリでは設定できません。
例として、Xserver、さくらサーバー、ConoHa WINGの場合の設定例を載せています。
step
1設定画面を開く
右上の設定(ギアアイコン)をクリックし、クイック設定の下にある「すべての設定を表示」をクリックします。
step
2「アカウントとインポート」
「アカウントとインポート」タブメニューを開き、「他のアカウントのメールを確認:」項目にある「メール アカウントを追加する」をクリック
step
3メールアカウントの追加
メールアカウント追加のポップアップウィンドウが開くので「メールアドレス」を入力します。
step
4他のアカウントからメールを読み込む
「他のアカウントからメールを読み込む(POP3)」が選択された状態で「次へ」をクリック。
step
5メールの情報を入力
メールの設定情報を入力します。
設定項目 | エックスサーバー の例 | さくらインターネットの例 | ConoHa WINGの例 |
---|---|---|---|
ユーザー名 | メールアドレスと同じ | メールアドレスと同じ | メールアドレスと同じ |
パスワード | メールアドレスのパスワード | メールアドレスのパスワード | メールアドレスのパスワード |
POPサーバー (ホスト名) | サーバーID.xserver.jp 例:sv14000.xserver.jp | 初期ドメイン.sakura.ne.jp | メールサーバーはコントロールパネルで確認 例:mail56.conoha.ne.jp |
ポート (POP over SSL) | 995 | 995 | 995 |
チェック項目 | 内容 |
---|---|
取得したメッセージのコピーをサーバーに残す | チェックを入れるとGmailで受信してもサーバーにメールが残る |
メールの取得にセキュリティで保護された接続(SSL)を使用する | 基本チェックを入れる |
受信したメッセージにラベルをつける | チェックを入れるとこのアドレス宛のメールにラベルがつくので受信トレイでわかりやすくなる |
メッセージを受信トレイに保存せずアーカイブする | チェックを入れると受信トレイにはメールは表示されない |
入力後、「アカウントを追加」をクリックすると設定が完了します。
step
6メールアカウント追加完了
メール送信もできるようにしますか?と表示されるので「はい。【メールアドレス】としてメールを送信できるようにします。」を選択して次へ(※あとで設定することもできます)
受信したメールアドレスで送信できるようにしておいた方が、メールの管理もしやすく、メールの相手(クライアントやお客様など)も混乱が少ないのでやっておくのがおすすめです。
step
7メールアドレスの名前を入力
メールアドレスの名前を入力(送信元として表示される名前)
エイリアスとして扱いますにチェックが入った状態で「次のステップ」をクリック。
step
8SMTPサーバー情報を入力
SMTPサーバー・ユーザー名・パスワードを入力します。共有レンタルサーバーの場合、SMTPサーバーとPOPサーバーは同じことが多いです。
設定項目 | エックスサーバー の場合 | さくらインターネットの場合 | ConoHa WINGの場合 |
---|---|---|---|
ユーザー名 | メールアドレスと同じ | メールアドレスと同じ | メールアドレスと同じ |
パスワード | メールアドレスのパスワード | メールアドレスのパスワード | メールアドレスのパスワード |
SMTPサーバー (ホスト名) | サーバーID.xserver.jp 例:sv14000.xserver.jp | 初期ドメイン.sakura.ne.jp | メールサーバーはコントロールパネルで確認 例:mail56.conoha.ne.jp |
TLS/SSL | SSLを使用したセキュリティで保護された接続 | 「TLSを使用したセキュリティで保護された接続」 「SSLを使用したセキュリティで保護された接続」 どちらも可 | 「TLSを使用したセキュリティで保護された接続」 「SSLを使用したセキュリティで保護された接続」 どちらも可 |
ポート | 465 | 「TLSを使用したセキュリティで保護された接続」:587 「SSLを使用したセキュリティで保護された接続」:465 | 「TLSを使用したセキュリティで保護された接続」:587 「SSLを使用したセキュリティで保護された接続」:465 |
step
9確認メールを受信
追加するメールアドレス宛に、以下のような件名の確認メールが送信されます。
件名:Gmailからのご確認・【メールアドレス】を差出人としてメールを送信します
メール本文のURLをクリックします。
確認ボタンをクリックします。
step
10設定完了
「確認が完了しました」
Gmailユーザーは【メールアドレス】としてメールが送信できるようになりました。
と表示されれば設定完了です。
再度、「アカウントとインポート」の設定画面を確認すると、メールアドレスが新しく追加されています。
GmailでのPOP受信の方法
前述のとおり、POP受信は一定間隔でGmailがメールサーバーを見にいくため、メールを受信するのに時間がかかることがあります。
今すぐメールを確認したいという時にには、手動でチェックする必要があります。
手動チェックの方法は「アカウントとインポート」を開いて、「メールを今すぐ確認する」をクリックします。
これが結構めんどくさいのです。それにGmailアプリではこの操作ができません。
リアルタイムで受信メールを確認したい場合は、自動転送をおすすめします。
※POPアカウントを自動チェックするサードパーティ製の拡張機能があるようです。
2. Gmailへ自動転送する
次にメールをGmailへ自動転送してメールを受信する方法です。
サーバーにメールが届いた時点でGmailへ自動転送されるので、受信がほぼリアルタイムなのがメリットです。
自動転送は契約しているレンタルサーバーで設定をします。
ここでは、Xserver、さくらサーバー、ConoHa WINGの設定例を紹介します。
Xserverのメール転送設定
- サーバーパネルにログイン
- メールアカウント設定>ドメイン選択をする
- メールアカウントの「転送」ボタンをクリック
- メールボックスにメールを残す設定と転送先メールアドレスを入力して「追加する」
さくらサーバーのメール転送設定
- サーバーコントロールパネルにログイン
- メール>メール一覧をクリック
- メールアドレスの「設定」ボタン>「詳細設定」をクリック
- 転送先アドレス欄にメールアドレスを入力して「保存する」
ConoHa WINGのメール転送設定
- サーバーコントロールパネルにログイン
- メール管理>メール設定>メール転送を選択
- 「+ 転送設定」ボタンをクリック
- 以下のように入力します。
- ネームタグ:任意の名前(例:Gmailへ転送)
- 判定箇所:送信先アドレス
- 判定文字列:転送元のアドレス
- 判定方式:完全一致
- 転送先アドレス:Gmailアドレス
- 転送方法:メールボックスにメールを残す/残さないを選択
サーバーで自動転送の設定が完了したら、ちゃんとメールが転送されるかテストしておくのを忘れずに。
Gmailにメールが届かない場合は、SPFレコードやDKIMなどの送信ドメイン認証が設定されているか確認しましょう。
他のメールアドレスで送信する手順
独自ドメインアドレスを使ってGmailから送信する設定します。これにより独自ドメインのメールアドレスをそのままGmail上で運用できます。
step
1Gmail設定・「アカウントとインポート」で「他のメールアドレスを追加」
Gmailの設定画面>「アカウントとインポート」タブを開き、名前:(Gmailを使用して他のメールアドレスからメールを送信します)の項目にある「他のメールアドレスを追加」をクリックします。
step
2送信メールアドレスを追加
返信先アドレスを指定しておくと、送信したメールに対する返信メールも指定したアドレスに届きます。
これ以降は、POP受信のStep8以降と同じ手順になります。
- SMTPサーバー情報を入力
- 確認メールを受信してURLをクリックして確認
- 設定完了
送信・返信時のデフォルト設定
別のメールアドレスでGmailから送信するときには、新規メッセージの差出人をプルダウンから選択できます。
でも、毎回選択するのは面倒だったりします。
Gmailではデフォルトの送信者とメール返信時の返信者の設定できます。
名前欄のメールアドレスの横にある「デフォルトに設定」をクリックすると、メール送信時の差出人にデフォルトで表示されるようになります。(変更は可能)
デフォルトの返信モードを選択:
「メールを受信したアドレスから返信する」を選択しておくと、メールを受信したアドレスから返信することができます。
まとめ
本記事ではGmailで他のメールアドレスを追加して送受信する方法を解説しました。
Gmailで他のメールアドレスを追加するには
・POP受信設定をする
・Gmailへ自動転送する
二つの方法があります。
受信メールをリアルタイムで確認したいならGmailへ自動転送する方をお勧めします。
他のアドレスでもGmailから送信できるように設定しておけば、独自ドメインメールを使ってGmailでメール管理ができるようになります。