少し前からGmailのスパム判定が、以前よりも厳しくなったようで、来ているはずのメールがない?と思ったら、迷惑メールフォルダに入っていたということが多くなったように感じています。
また、以下のようなメッセージがよく表示されるようになっています。
Gmail「このメールにはご注意ください」の意味と対処法はこちら
Gmailの迷惑メール判定は精度が高いので、日々大量に届く迷惑メールに煩わされることがなく快適なのですが、仕事上の大切なメールまで迷惑メール扱いになってしまうと困ったことになります。
同様に、自分が送ったメールが迷惑メールになってしまうと、重要なメールを見てもらう機会を逸してしまいます。
この記事では、重要なメールを迷惑メールにしない設定(受信者側)と、自分のメールを迷惑メールにされない設定(送信者側)を紹介します。
大事なメールを迷惑メールに入らないようにする設定(受信者側)
メールを受信する側として、重要なメールを迷惑メールにしないためにやるべき方法は以下の3つです。
- 「迷惑メールではない」と報告する
- 「連絡先」に登録する
- 「迷惑メールにしない」フィルタを作成する
1.「迷惑メールではない」と報告する
友人や取引先からのメールが誤って迷惑メールに振り分けられてしまったらまずは、「迷惑メールではない」ということをGoogleさんへ知らせます。
PCで「迷惑メールでないことを報告」する
Gmailの「迷惑メール」で、迷惑メールから除外したいメールを開き「迷惑メールでないことを報告」をクリックします。
iPhoneのGmailアプリで、複数メールを選択してスパムでないと報告する
iPhone・Gmailアプリでは、左上のハンバーガーメニューをタップし、「迷惑メール」を開きます。
迷惑メールから除外したいメールが複数ある場合は、メール左のアイコンをタップしてメールを選択します。
右上の横3点リーダーをタップして「スパムではないと報告」をタップします。
迷惑メールに振り分けられたメールは30日で自動削除されてしまいます。
また迷惑メールのままにしておくと、同じ送信者からのメールはまた迷惑メールになってしまう場合があります。大事なメールはすべて「迷惑メールでないことを報告」して迷惑メールの外に出しましょう。
2.「連絡先」に登録する
重要な送信者メールアドレスを連絡先(Googleコンタクト)に追加することで、迷惑メールとして判定されなくなります。
連絡先とはいわゆるアドレス帳ですね。GmailやGoogle Workspaceと連携して連絡先を管理できます。
Gmailから連絡先を登録する(PC・Androidの場合)
- メールの送信者アドレスまたはアイコンをクリック
- 送信者情報のポップアップが表示されるので右上にあるアイコンをクリック
- 連絡先に登録完了(登録するとペンシルアイコンに変わる)
送信者アイコンかアドレスをクリックすると、送信者情報がポップアップされます。右にあるアイコンをクリックすると連絡先に登録されます。
登録した連絡先は、右サイドバーにある連絡先アイコンから確認できます。
上記はPC、Androidのでの操作方法です。
2024年6月時点では、iPhone用Gmailアプリから連絡先の登録はできないようです。
3.「迷惑メールにしない」フィルタを作成する
Gmailのフィルタ設定で特定のメールアドレスまたはドメイン(例:@example.com)からのメールを「迷惑メールにしない」ように設定します。
Gmailのフィルタ機能は、迷惑メールの分類だけでなく、メールにラベルをつけたり、自動的に他のアドレスに転送したりと、条件に応じて自動処理ができる便利な機能です。
Gmailヘルプ:メールのフィルタルールの作成
フィルタの作成方法
- Gmailの受信トレイでメールの左にあるチェックボックスにチェックを入れる
- 上部の縦三点リーダーをクリックして、「メールの自動振り分け設定」を選択
- 検索条件の画面で「フィルタを作成」をクリック
- 検索条件に一致した場合のフィルタ条件「迷惑メールにしない」にチェックして「フィルタ作成」をクリック
メール左のチェックボックスにチェックを入れて、「メールの自動振り分け設定」を選択します。
またはトップにある「メールを検索」フォームの右にあるアイコンをクリックしても、検索条件画面が表示されます。
Fromの項目に迷惑メールにしないメールアドレスを入力します。
例として、suzuki@example.com
さんからのメールを迷惑メールにしない場合、From欄にsuzuki@example.com
を入れます。
同じドメインの複数のアドレスからメールがある場合は、@example.com
とドメインだけ指定します。
フィルタ条件「迷惑メールにしない」にチェックを入れます。
後から条件を追加したり、編集したい場合は、「設定」>「すべての設定」>「フィルタとブロック中のアドレス」の中にあります。
これらの方法を組み合わせて利用することで、重要なメールが迷惑メールと誤判定されるリスクを最小限に抑えることができます。
メール送信者として迷惑メールにしない設定をする
メールを送る側としても、自分が送ったメールが迷惑メールになってしまったら、ビジネスチャンスを失いかねません。
そのような事態を避けるためには以下の二つの設定を行いましょう。
- TLSによる送受信の暗号化
- SPF、DKIM、DMARC(送信ドメイン認証)を設定
TLSによる送受信の暗号化
TLSとはインターネット上でデータを安全に送るための技術です。
WebサイトのSSL化が当たり前になったように、メール送受信の暗号化も必須となっています。
Gmailは標準でTLSに対応していますが、OutlookやThunderbirdなどローカルPCのメールクライアントでも暗号化設定をしておきましょう。
受信メールサーバー・送信メールサーバーには「暗号化された接続(SSL/TLS)」を使います。
SPF、DKIM、DMARC(送信ドメイン認証)を設定する
二つ目は、送信元の正当性を証明するための送信ドメインの認証技術を設定します。
Gmailで迷惑メールに分類されてしまうのは、自分のメールアドレスが信頼できないと判断されたり、メールの内容がスパムと見なされたりすると起こります。
Gmail では、送受信されるメールが認証済みであることを検証することによってメールを保護しているため、認証されていないメールは迷惑メールに分類されることがあります。メールの認証は、SPF、DKIM、DMARC を使って行われます。
Gmail の迷惑メールと認証
上記のようにGmailでは「SPF、DKIM、DMARC」という方式でメールが認証されているかを検証しているため、迷惑メールにならないようにするには、SPF、DKIM、DMARCの設定することが必要です。
- SPF(Sender Policy Framework)
ドメインを偽造されたりなりすまされたりすることを防ぐための技術 - DKIM(DomainKeys Identified Mail)
送信メールにデジタル署名を付加する標準的なメール認証方式(引用:Gmail なりすましや迷惑メールを DKIM で防ぐ仕組み) - DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)
SPFとDKIMを組み合わせた電子メール認証のプロトコル
SPF設定をすることで、Gmailでスパムと判断されることを回避できる場合が多いです。可能であればDKIMも設定した方がより安心です。
SPF、DKIM、DMARCに対応するには、利用しているサーバーが対応しているかということになります。
後述のGoogleが発表したGmailのメール送信者に対するガイドラインが発表されて以降、
SPF、DKIM、DMARCに対応したレンタルサーバーは増えています。
参考資料:【総務省】送信ドメイン認証技術の導入状況
主要レンタルサーバーのSPF,DKIM,DMARC対応状況は、以下の記事で確認できます。
エックスサーバーでSPF、DKIMを設定する方法は以下の記事が参考になります。
SPF,DKIM, DMARCが設定されているかGmailで確認する
SPF,DKIM, DMARCが設定されているかを、Gmailでソースで確認することができます。
それぞれの値が「PASS」となっていれば正しく設定されていることになります。
参考Gmailでメールヘッダを確認するには(PC・スマホで)
まとめ
以上、Gmailで大事なメールを迷惑メールに入らないようにするために、メール受信者、送信者がそれぞれでやるべきことをまとめました。
大事なメールが迷惑メールに入ってしまったら
・このメールは迷惑メールじゃないとGoogleさんへ知らせる
・送信元を連絡先に登録する
・送信元を迷惑メールにしないフィルタを作成する
という手段があります。
メールを送る側としても、自分のメールを迷惑メールにしないためにも
・暗号化して送信する
・送信ドメイン認証を設定する
という対策が必要です。
結論としてはメール送信者側で、上記のようなメールの正当性を証明する方法をとっていれば、迷惑メールに入ってしまう確率は極めて低くなるわけです。
ビジネス機会の損失を防ぐためにも、メール暗号化・送信ドメイン認証に対応しましょう。
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