Adobe Expressはスキル不要でおしゃれなSNSサムネ、動画やチラシ、ロゴ作成などができる可能なブラウザ、モバイルで操作可能なデザインアプリです。
10万点以上のテンプレートテンプレートやデザイン素材を自由にカスタマイズできるので自分好みのアレンジが可能です。
Webブラウザ、モバイルアプリから操作可能。Adobeの無料アカウント(Adobe ID)を取得すれば、すぐに無料で利用することができるのも魅力です。
Adobe Expressの有料のプレミアムプランではさらにできることが多くなります。
この記事ではAdobe Expressの無料・有料プラン(プレミアムプラン)の違い、Adobe Expressでどんなことができるのかを解説しています。
Adobe Express 無料・有料プランの比較
2024年3月5日に価格改定することが発表されました。コンプリートプランや単体プランのほぼすべてが値上げとなります。Adobe Expressのプレミアムプラン(有料プラン)も値上げとなります。
Adobe Express料金 | 旧価格 | 新価格 2024年3月5日から |
---|---|---|
月々プラン | 1,078円 | 1,180円 |
年間プラン | 10,978円 | 11,980円 |
項目 | 無料プラン | プレミアムプラン |
---|---|---|
料金 | 0円 | 月々プラン 1,180円 年間プラン 11,980円 |
お試し期間 | AdobeID取得後すぐに利用可能 | 30日間無料お試し |
オンラインストレージ | 2GB | 100GB |
利用可能アプリ | Adobe Express Web/モバイル版 | Adobe Express Web/モバイル版 + Adobe Premiere Rush Adobe Photoshop Express |
Adobe Stock | 無料の写真素材 | 1億6000万以上の素材 |
Adobe Fonts | 2000種類のフォント | 2万種類フォント |
テンプレート/アセット | 無料のテンプレートのみ 無料アセットのみ | 全てのテンプレート、 アセット |
背景除去機能 | ||
スケジュール投稿 | 月2投稿まで | |
ブランド機能 ロゴやカラー、フォントを登録して管理 | ||
サイズ変更 プラットフォームに合わせてサイズ変更 | ||
PDFの編集 | 月2ファイルまで | |
複数ファイルを整理、PDF結合 | 月2ファイルまで |
Adobe Expressでできること
デザイナーや動画クリエーターなどプロ御用達のAdobeアプリケーションと言えば、Illustrator、Photoshop、Premiere Proですが、これらのアプリのアプリケーションの使い方を知らなくても、Adobe Expressを使えばプロ並みのデザインを作成することができます。
Adobe Expressでできることを挙げていきます。
簡単にプロ並みのデザインを作成できる
Adobe Expressでは以下のようなデザインが作成できます。
- SNS投稿
- SNSのストーリー
- ロゴ
- チラシ(フライヤー)
- SNS広告
- ポスター
- バナー
- YouTubeのサムネイル
- 名刺
- その他、カスタムサイズのデザイン
- 結婚式のオープニングムービーなどの動画
作りたい作品やメディアに合わせて、テンプレートや膨大な数の素材が用意されています。
Adobeの生成AI「Adobe Firefly」が使えます
Adobe Expressの最新バージョンにはAdobeの生成AI「Adobe Firefly」が搭載されました。
テキストから画像生成(Text to Image)
テキストによる説明文から画像を生成します。
カンタンなテキストを入れて生成ボタンを押すと、テキストの内容を元に画像を生成してくれます。
以下のように、思いつく単語を入力して画像を生成してみると・・・
薄暗い 夜の公園 木が茂っている
灯りが灯っていて、木が茂っている夜の公園のそれらしい画像が生成されました。
生成塗りつぶし
Photoshopにもある生成塗りつぶしがAdobe Expressでも使えるようになりました。
生成塗りつぶしは、テキストから生成した画像にも使えます。青い空と緑の芝生の画像を生成した後、生成塗りつぶしで、生成したい場所をブラシでなぞります。
生成したいものをテキスト入力します。ここでは「気球」と入れました。青空に気球が生成されました。
テキストからテンプレート
2024年のアップデートで「テキストからテンプレート」機能が追加されました。
まだ機能がリリースされたばかりで、プロンプト入力は英語しか対応していないようです。(2024年4月20日時点)
試しに [handmade accesories sale, flyer
]と入力して生成してみたら以下のような感じになりました。
生成されたテンプレートは、自由に編集することができます。でもまだ日本語未対応で、処理にも時間がかかる感じで、実用的になるのはもう少し先のようです。
テキスト効果(Text Effects)
テキストによる説明文からテキスト効果を生成します。
当サイトでも、Adobe Expressのテキスト効果を使ってアイキャッチ画像を作成しています。
2023年10月時点でこれらの機能は、デスクトップ版(PC)のみで利用可能で、将来的にはAdobe Expressモバイル版にも対応予定です。
用途に合わせた豊富なテンプレートがある
Adobe Expressにはプロが製作した豊富なテンプレートやイラスト、写真素材が用意されており、それらを組み合わせてグラフィックデザインを作る感じです。
テンプレートは用途別のカテゴリーに数千種類登録されていて、どれも高品質なものばかりです。ちなみに右下に 王冠アイコンがついているのは有料プランで使える素材です。
名前を変えるだけでそのまま使える、綺麗でおしゃれなデザインがたくさん揃っていて、見ているだけでも楽しいです。
Adobe Stockの素材が使い放題
Adobe Stockにあるロイヤリティフリーの写真素材を取り込むことができます。
プレミアムプランならAdobe Stockの有料写真もすべて利用可能になっています。ライセンスは通常ライセンス、または「限定ライセンス - Adobe Express」という限定ライセンスとなっています。
デザインのパーツやアレンジを加えるのに活躍する様々なシェイプやアセットが数え切れないぐらい登録されています。自由に組み合わせてドキュメントを作成することができます。
作成したデザインは商用利用OK
Adobe Expressで作成したデザインは商用利用することができます。
ワンクリックで背景削除などクイックアクションが豊富
画像や動画、PDFでよく使う変換や編集機能がワンクリックでできるクイックアクションが数種類用意されています。
Adobe Expressでは無料プランユーザーでも画像の背景削除が簡単にできます。
Adobe Expressの競合と言えるCanvaでも同じように背景を除去はできるのですが、有料のCanva Proのみの機能になっているので無料では使うことができません。
動画関連のアクションは主にスマホで撮った動画を結合したりトリミングしたり、SNSに合わせたサイズに変換してそのまま投稿できるようなっています。
PDFドキュメントの編集が可能なアクションです。
PDFファイルで、テキストの追加、修正、画像の回転、削除、位置の変更ができたりします。ドキュメントクラウドの超簡易版といったところでしょうか。
無料メンバーは月に2ファイルのみと制限があります。
Adobe ExpressでA4チラシを作ってみた
どんなことができるか、試しにごく簡単なA4チラシを作ってみました。以下が完成したものです。
いくつかポイントとなる部分を解説します。
1- 新規プロジェクトからサイズを選ぶ
Adobe Expressには作成したいデザインに合わせてサイズが用意されています。
今回はA4フライヤーなので「チラシ」を選びたいところですが、「チラシ」を選ぶと「215.9 × 279.4mm」のレターボックスサイズになってしまいます。この辺は欧米仕様のままです。
なので、A4サイズで作成したい場合は「カスタムサイズ」から直接サイズを指定します。
仮に印刷屋さんにデータを渡したい場合は塗り足しサイズを計算して作成することもできます。
後からサイズ変更は可能
既にレターボックスサイズでデザインを作成してしまっても、右サイドバーの「サイズ変更」からサイズ変更することができます。(プレミアムプランの限定機能)
データ入稿する場合は、天地左右の端に重要な情報を配置しないように注意します。
現在のところ、Adobe Expressにガイドラインを引く機能はありません。
カラーパレットでお好みの配色を選ぶことができます
右サイドバーの「カラー」には配色パターンが登録されていて、好みの配色を選ぶことができます。
気分やイメージで検索することも可能。
レイアウトも一発で変更可能
同じく右サイドバーのレイアウトからは区割りされたレイアウトパターンを選択することができます。
2- 背景を設定する
ベタ塗り以外にもデザイン済みのテンプレートが用意されているのでそれを利用するのでもいいですね。
3- タイトルを挿入する
サイドバーのテキストを選ぶと、こちらもデザイン済みのテキストオブジェクトが多数表示されます。
気に入ったものを選びます。テキストオブジェクトはクリックすると文字の編集ができます。
ただ、英語フォントを日本語にした場合、PDFでは文字化けする可能性があるので注意が必要です。
4- 装飾用のオブジェクトを挿入する
丸いシェイプを配置して装飾します。
5- 人物を挿入、背景を削除する
写真の中から、人物写真を挿入します。もちろん自分の写真もアップロードして挿入することもできます。
挿入した画像の背景を削除する
画像を選択して、背景を削除ボタンを押すと一発で背景が削除されます。
髪の毛はほぼ自然な感じで除去されていますが、削除できていない部分もありました。
「カットアウトを編集」で除去部分を調整をすることはできますが、Adobe ExpressにはPhotoshopのような選択ツールはないので細かい部分の調整は難しいです。
6- 完成したデザインをダウンロードする
テキストや画像を配置してチラシデザインを完成させます。
完成したファイルはダウンロード、または共有できます。
SNSに公開する場合は「共有」から、スケジュール投稿も可能です。
ダウンロードできるファイルタイプは
png
透過png
jpg
PDF
の4種類です。
PDFは印刷データとして使える?
PDFデータの画像の解像度はそんなに劣化していないように思えます。
Acrobat Proで確認したところ解像度は220〜300ppiぐらいでした。
ただしダウンロードしたファイルはRGBデータなのでで印刷時にCMYKに変換されるとかなり色味が変わることが想像されます。
Adobe Expressではトンボが作成機能はないので印刷屋さんへの入稿は厳しいところではないでしょうか。中には受けてくれる印刷屋さんもあるかもしれません。
Adobe Expressの残念なところ
- 縦書きができない
- トリムマーク、塗りたし、CMYKには対応していない
- 動作が重い → 低スペックなPCだと作業は厳しい
一番残念だなと思うのが、縦書きに対応していないところです。
日本やアジア圏では縦書きで表現したいというのは多々あるのではないでしょうか。近い将来、機能追加されて欲しいところです。
あとは作業している時にどうしても重くなりがちになりますね。特にテキスト追加するときなど。
まとめ
Adobe Expressの無料有料プランの違い、できることについてまとめました。
本当にテンプレートやアセット素材が充実しているので、サムネやアイキャッチなども簡単に作成できてしまいます。
IllustratorやPhotoshopを使い慣れている人にとっては、逆に使いづらく感じる場面もありそうです。
とにかく簡単におしゃれなデザインを作れるので、要所要所で使い分けてもいいかもしれませんね。
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