Google reCAPTCHA無料枠が大幅縮小!2025年に知っておくべき対策

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目次

「あれ、お問い合わせフォームが動かない…」

そんな事態が多くのサイトで起こる可能性があります。原因は、Google reCAPTCHA(リキャプチャ)の無料枠が99%も削減されたことです。

もし自社サイトやブログで「私はロボットではありません」のチェックボックスや、「信号機の画像を選んでください」といった画面を見たことがあるなら、それがreCAPTCHAです。

このreCAPTCHAが、2024年8月から突然厳しい制限がかかるようになりました。

本記事では、reCAPTCHA変更の詳細と、サイトに与える影響、検討すべき対策について、分かりやすく解説します。

reCAPTCHAの基本的な仕組み

reCAPTCHA(リキャプチャ)とは、Googleが提供する「人間とロボット(ボット)を区別するシステム」です。

具体的な使用場面:

  • お問い合わせフォームの送信時
  • ユーザー登録やログイン時
  • ブログのコメント投稿時
  • オンラインショップでの購入時

なぜreCAPTCHAが必要なのか?

インターネット上には、ボットと呼ばれる悪意のある自動プログラムが大量に存在します。これらのボットは以下のような迷惑行為を行います:

  • スパムメール大量送信
    お問い合わせフォームから意味不明なメールを何千通も送信
  • 不正アカウント作成
    偽のユーザーアカウントを大量作成
  • サーバー攻撃
    サイトに過度な負荷をかけてダウンさせる
  • 商品の買い占め
    限定商品を自動購入して転売

reCAPTCHAは、これらの悪質なボットからあなたのサイトを守る役割を果たしています。

reCAPTCHAの2つのタイプ

reCAPTCHA v2(従来型)

  • 「私はロボットではありません」にチェック
  • 画像認証(「信号機を選んでください」など)
  • ユーザーが操作する必要がある

reCAPTCHA v3(最新型)

  • 背景で自動的に動作
  • ユーザーは何も操作しない
  • サイトの利用状況を分析してボット判定

多くのサイトでは、ユーザーの手間を減らすためにv3が採用されています。

無料枠縮小の詳細:何がどう変わったのか?

reCAPTCHAの変更内容

2024年8月1日から、reCAPTCHAの無料利用条件が劇的に変更されました:

項目変更前変更後変化率
無料枠月100万リクエスト月1万リクエスト99%削減
超過時の料金なし1,000リクエストあたり$1新規課金
管理方法reCAPTCHA専用ページGoogle Cloud統合大幅変更

この変更により、月1万回を超えるとreCAPTCHAが停止するか、有料プランへの移行が必要になりました。

「月1万リクエスト」ってどのくらい?

「1リクエスト」は「reCAPTCHAが1回動作すること」です。

具体例

小規模ブログ

  • サイト規模:月1,000PV
  • reCAPTCHAはお問い合わせページのみ

月約30リクエスト
1万リクエスト以下なので問題なし

企業サイト

  • サイト規模:月5,000PV
  • reCAPTCHAは複数ページ設置

月約5,000リクエスト
1万リクエスト以下なのでギリギリ無料

人気ブログ

  • サイト規模:月20,000PV
  • reCAPTCHAは複数ページ設置,
    コメント機能あり

月約20,000リクエスト
1万リクエスト以上なので
制限超過→有料

特に注意が必要なケース
  • ブログの各記事ページに問い合わせフォームがある
  • ECサイトで商品ページにもreCAPTCHAを設置
  • 会員制サイトでログインページのアクセスが多い

Google Cloud統合という新たな壁

さらに複雑なのが、2025年末までにGoogle Cloudプロジェクトとの統合が必須になることです。

Google Cloud統合による変更点
  • クレジットカード登録が必要(無料枠内でも)
  • 管理画面が複雑化
  • 設定ミスで突然課金される可能性

多くのサイト運営者は「無料で簡単に使えるから」という理由でreCAPTCHAを選んでいましたが、もはやその前提が崩れてしまいました。

あなたのサイトは無料?有料?影響度をチェック

以下に当てはまるサイトは、早急な確認と対策が必要です

リスク【高】

  • 月10,000PV以上のサイト
  • 複数ページにreCAPTCHAを設置
  • WooCommerceなどのECサイト
  • 会員制サイトやコミュニティ
  • Contact Form 7を全ページで使用

リスク【中】

  • 月5,000PV以上のサイト
  • お問い合わせフォームのみreCAPTCHA使用
  • ブログのコメント機能あり

リスク【低】

  • 月3,000PV未満のサイト
  • reCAPTCHAを1〜2ページのみで使

無料枠を超過するとどうなる?

制限を超えると、以下のいずれかが発生します:

【パターン1】reCAPTCHAが停止する

  • セキュリティ機能が無効化
  • スパムや不正アクセスが激増
  • サーバー負荷増大でサイトが重くなる

【パターン2】自動的に課金開始となる

  • クレジットカードが登録済みの場合
  • 1,000リクエストあたり$1の課金
  • 月末に予想外の請求書

どちらの場合もサイト運営に重大な影響を与える可能性があります。

簡単な現状確認方法

Step1: reCAPTCHAの使用箇所を確認

  • お問い合わせフォーム1
  • ユーザー登録・ログインページ
  • ブログコメント欄
  • その他のフォーム

Step2:月間アクセス数をチェック

  • Google Analyticsで確認
  • レンタルサーバーの管理画面で確認

Step3:影響度を判定

概算式:月間PV × reCAPTCHA設置ページ率 × 0.1 = 月間リクエスト数

例:月20,000PV × 20%(5ページ中1ページ) × 0.1 = 400リクエスト

正確な現状把握:reCAPTCHA Classic管理画面での確認

Step1:reCAPTCHA管理画面にアクセス

https://www.google.com/recaptcha/admin

Step2:使用状況の確認

  1. 該当サイトを選択
  2. 情報を確認:
    • 合計リクエスト数
    • 過去3ヶ月の推移
    • 日別の使用パターン

Step3:無料枠との比較

確認項目

□ 今月の使用量が9,000を超えているか?
□ 過去3ヶ月で1万を超えた月があるか?
□ 増加傾向にあるか?

重要な判断基準:
  • 8,000以上/月:要注意レベル(対策検討開始)
  • 10,000以上/月:危険レベル(即座に対策必要)
  • 増加傾向:将来的に制限に引っかかる可能性

より正確な料金計算:Google Cloud計算ツール

Google Cloud公式の料金計算ツールを使って詳細なシミュレーションができます。

  1. Google Cloud料金計算ツールにアクセス
    https://cloud.google.com/products/calculator?hl=ja
  2. Cost detailsでJapanese YEN(JPY)を選択
  3. + Add to this estimateをクリックしてreCAPTCHを検索し選択する
  4. 予想される月間リクエスト数を入力
  5. 結果を確認
    無料枠(月1万)を超える部分の料金
    年間コストの予測

検討すべき4つの選択肢

reCAPTCHA変更への対応として、以下の4つの選択肢があります。

選択肢1:有料プランに移行する

Google reCAPTCHA有料プラン:

  • Standardプラン:月$8で10万リクエストまで
  • 超過分:1,000リクエストあたり$1

メリット:

  • 設定変更が最小限
  • 既存のセキュリティレベルを維持

デメリット:

  • 継続的なコスト負担
  • Google Cloud統合の複雑さ
  • 将来的な更なる値上げリスク

向いているサイト:

  • 大規模サイト(月100万PV以上)
  • セキュリティが最重要の企業サイト
  • 技術者がいて管理体制が整っている

選択肢2:reCAPTCHA使用ページを限定する

既存のreCAPTCHAを一部のページでのみ使用する方法です。

具体的な対策:

  • お問い合わせページのみに限定
  • 全ページフッターから削除
  • 重要度の低いフォームから撤去

メリット:

  • 無料で継続利用可能
  • セキュリティを部分的に維持

デメリット:

  • セキュリティレベルの低下
  • 設定変更の手間
  • 根本的な解決にならない

向いているサイト:

  • 中規模サイト(月5,000〜10,000PV)
  • お問い合わせが主要な機能
  • 一時的な対策として

選択肢3:代替サービスに移行する

reCAPTCHA以外のサービスに切り替える方法です。

Cloudflare Turnstile

https://www.cloudflare.com/ja-jp/application-services/products/turnstile

  • 料金:完全無料・無制限
  • 特徴:画像選択不要、高い精度
  • デメリット:新しいサービス

hCaptcha

https://www.hcaptcha.com

  • 料金:月100万リクエストまで無料
  • 特徴:reCAPTCHAに近い操作感
  • デメリット:画像選択が必要

メリット:

  • コスト削減または無料継続
  • 新しい技術でより良いユーザー体験
  • reCAPTCHAの制約から解放

デメリット:

  • 移行作業が必要
  • 新しいサービスへの学習コスト
  • 一時的な不安定性

選択肢4:何もしない(非推奨)

現状維持を選ぶ場合の想定されるリスクです。

起こりうる問題:

  • 突然reCAPTCHAが停止
  • スパム急増でサーバーダウン
  • 予期しない課金発生
  • サイトの信頼性低下

最もおすすめ:Cloudflare Turnstile

数ある代替手段の中で、現在最も注目されているのがCloudflare Turnstileです。

Turnstileが選ばれる理由

1. 完全無料

  • 使用量制限なし
  • 隠れたコストなし
  • 将来的な値上げリスクが低い

2. 優れたユーザー体験

  • 画像選択不要
  • ワンクリックで認証完了
  • スマートフォンでも快適

3. 高いセキュリティレベル

  • 機械学習による高精度判定
  • 従来のCAPTCHAより優秀
  • 継続的な技術改善

4. 簡単な導入

  • 既存のreCAPTCHAからの移行が容易
  • WordPressプラグインで自動化
  • 技術知識不要

Turnstileの制限事項

完璧に見えるTurnstileにも、以下の制限があります:

  • ウィジェット数:無料版は20個まで
  • ホスト名:ウィジェットあたり15個まで
  • 歴史が浅い:2022年開始の新しいサービス

ただし、これらの制限は多くの中小サイトには影響しないレベルです。

まとめ

reCAPTCHAの無料枠縮小は、多くのサイト運営者にとって避けて通れない問題です。

やるべきこと:

  1. 現状把握:あなたのサイトのreCAPTCHA使用状況を確認
  2. 影響度判定:月間リクエスト数を概算
  3. 対策選択:4つの選択肢から最適なものを選択
  4. 行動開始:選択した対策の実行

多くのサイトにおすすめなのは「Cloudflare Turnstileへの移行」です。無料で高機能、しかもユーザー体験も向上するという、まさに一石三鳥の解決策です。