ホームページやメールアドレスを使うために必ず必要なレンタルサーバー。ビジネス用途の法人向けレンタルサーバーを選ぶにはどんなポイントが必要でしょうか。数あるレンタルサーバーの中で、法人の利用に最適なレンタルサーバーを選ぶのは必要な機能やコストなど色々な要素を考慮して検討しなければなりません。
ウェブサイト管理を任されてしまった中小企業の担当者やウェブ初心者でも自社に最適なレンタルサーバーを選ぶために必要な要素をピックアップし、選び方のポイントと注意点を解説します。
ホームページ公開・独自ドメインを使うならレンタルサーバーは必須
FacebookやLineなどSNSが全盛の昨今、会社の規模が小さい中小企業は自社サイトを持たず、Facebookで発信する、、、という会社さんも多いですよね。でも企業間での新しい取引が始まる時や自社サービスを提供していく上で自社ホームページがあるのとないのとでは相手方に与える信頼性が異なってきます。
ですので会社であれば自社ホームページは必ず持っておきたいものです。
独自ドメインを決める
企業としてホームページを公開するためには、独自ドメインとレンタルサーバーの契約が必要になります。
独自ドメインとは、○○○.comや○○○.jpなど「○○○」の部分を自分の好きな文字で決めることができます。日本の会社であれば○○○.co.jpや○○○..jpが一般的ですね。
- アサヒビール asahibeer.co.jp
- トヨタ toyota.jp
- ヤフー yahoo.co.jp
- みずほ銀行 mizuhobank.co.jp
- 資生堂 shiseido.co.jp
独自ドメイン取得は早い者勝ち
独自ドメインは好きな文字で取得できるとはいえ、取得は早い者勝ちです。必ずしも自分の希望した文字で独自ドメインが取得できるかは検索してみないとわかりません。また日本の会社はco.jpが多いです。[.co.jp]は日本の法人でしか取得できないドメインなので、[.co.jp]がついていれば、法人だということがすぐにわかります。
しかし[.co.jp]でなければいけない訳ではありません。自分の希望する文字でドメイン取得できるのであれば、.comでも.netでも良いと思います。それに.comや.netの方がドメイン維持費(ドメイン更新費)は割安です。
まずは希望する名前でどんなドメインが取得できるかを検索して検討してみましょう。
エックスサーバービジネスは[.co.jp]がずっと無料の法人向けレンタルサーバー


ホームページを公開するまでの流れ
- 独自ドメインを決める
- 独自ドメインを取得
- レンタルサーバーを決める
- レンタルサーバー契約
- ドメインのネームサーバー(DNS)設定
- ホームページの公開
ドメインとレンタルサーバーをセットで契約すると、上記2〜5は1つで済みます。
※ホームページの内容は別途制作する必要があります。
レンタルサーバーは個人と法人で何が違う?
今やレンタルサーバーサービスは、月に99円で使えたり無料で使えるものまであり一体どれを選んでいいのかわからなくなるほどです。
「個人向けレンタルサーバー」、「法人向けレンタルサーバー」と一般的に言われますが、その違いは何でしょうか。
結論から言ってそれほど大きな違いはありません。個人向けレンタルサーバーを法人が借りることも多いですし、個人で専用サーバーを利用している人もいます。
しかし格安であったり無料で使えるレンタルサーバーはサーバースペックが低かったり、レンタルサーバー1台に収容されているユーザーが多くサービスに遅延や不具合が生じる、、、といったことが起こりえます。
格安レンタルサーバー全てに当てはまるということではありませんが、ビジネスで使用するためにはメールトラブルやホームページが見れないなどによって顧客や取引先に迷惑をかけることは避けなければいけません。
法人としてレンタルサーバーを選ぶ場合、自社に必要な機能があるかやサーバーの安定性、セキュリティ、サポートなどの面もポイントになるしょう。
ビジネスで利用するレンタルサーバーを選ぶポイント
ビジネスで利用する個人(個人事業主)・法人向けレンタルサーバーを選ぶ時にチェックしたいポイントは?
[Point 1] レンタルサーバーのメインの利用目的を考える
「100名いる従業員全員がメールを使えるようにする」、「自社ネットショップを開店する」、「独自のウェブサービスを公開したい」などレンタルサーバーを利用するための主な目的を考えます。
ホームページはシンプルなものでもいいが、ビジネスのメールやりとりは重要なのであればあれば使用するメールアカウント数やメール機能が充実しているかどうかで判断できます。
WordPressブログを開設して自社サービスを発信していきたいと思っているならばWordPressが簡単インストールできる機能やWordPressのセキュリティ対策がされているサーバーを選びたいものです。
ネットショップなどECサイトを運営したい場合はレンタルサーバーだけでなくネットショップASPも選択肢に入ります。
さらにサーバー運営管理ができる技術者がいるかどうかも重要です。レンタルサーバーには共用レンタルサーバー、専用サーバー、VPS、クラウドなど種類がありますが、サーバに関する知識がある担当者がいないとVPSやクラウドなどは運営、管理は難しいでしょう。
社員が少ない、専用のサーバ担当者がいないという場合は共用レンタルサーバーがオススメです。
レンタルサーバーの種類
レンタルサーバー種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
共用サーバー | コストが安い 初心者でも扱いやすい | 複数人で領域をシェアしているので他の影響を受けやすい |
専用サーバー | サーバ領域を専有できるので自由度が高い | コストが高い |
VPS | 仮想専用サーバーで専用サーバなみのスペック | コストは割安だけれど専門知識が必要 |
クラウド | スケールアップなど拡張性が高い | コストは割安だけれど専門知識が必要 |
規模の大きいウェブサイトを運営するなら専用サーバやVPSを、閲覧用サイトで十分、サーバー技術者がいないなどの場合は共用サーバーを選ぶと良いでしょう。
[Point 2] レンタルサーバーの費用
レンタルサーバーを選ぶ上での重要なポイントはやはりどのぐらい費用がかかるかです。
サーバーを契約すると「初期費用」「月額費用」が発生します。
最近は初期費用が無料のレンタルサーバーもあります。
また月額費用は日々のランニングコストに関わってきますので後々負担にならないよう検討しましょう。
[Point 2] サーバー容量と転送量
レンタルサーバーの料金プランには必ず「ディスク容量」という項目があります。「ディスク容量」はウェブサイトやメールなどのデータを保存できる容量です。
画像や動画などを多く扱うウェブサイトを運営する、メールのデータはバックアップとしてサーバーに置いておきたいなどの場合は300GB〜500GB程度のディスク容量があれば安心でしょう。
また転送量もチェックが必要です。「転送量」とはホームページの閲覧やメールの送受信、画像のアップロードなどサーバーとのデータのやりとりで発生するものです。
「自社のサービスがSNSで紹介されてホームページのアクセスが急増した」
「大量の画像や動画ファイルをメールで送った」
などがあると転送量は急増します。
共用レンタルサーバーではサーバーに負荷が生じないよう目安となる転送量を超えるとアクセスを制限したり、超過料金が発生することがあります。なので転送量に制限があるか、目安はどのぐらいなのかを確認しておく必要があります。
[Point 3] サーバーの稼働率・安定性
法人向けレンタルサーバーは安定稼働がポイントです。
サーバーも個人のパソコンと同じように機械ですので不具合が起きるともあります。機器の故障や障害に対して対策がしっかりしているレンタルサーバー会社かどうかを見ましょう。
サーバー稼働率を公表していたりさらにサーバー稼働率を99.99%保証,100%保証しているレンタルサーバーはそれだけ稼働率が高くダウンすることがないので安心です。
サーバーがダウンするとビジネス機会の損失に繋がる場合がありますので重要なポイントです。
サーバがRAID構成になっている、負荷分散されているか
RAID(レイド)とは複数のハードディスクを1台の装置として冗長運用する技術でRAIDを利用することでハードディスクの障害が起きても可能な限りシステムを止めることなく運用することができます。
またサーバーへのアクセスが多いと負荷がかかり速度低下に繋がります。このような負荷を分散する機能はロードバランサーと呼ばれています。ロードバランサーは専用サーバやクラウドサーバでよく見られるのですが共用レンタルサーバーでは対応しているところは少ないようです。
しかし最近では共用サーバーでもリソースを保証してくれる料金プランも登場しています。多くのアクセスが見込めるサイトや他人の影響を受けたくない場合はそのようなサービスを導入しているかどうかを確認しましょう。
[Point 4] サポート体制
法人や個人事業主がビジネスで利用するレンタルサーバーはサポート体制やサポート対応時間も重要です。
少人数の会社や新米ウェブ担当者なら「困った事態が起きたときにサポートの対応が早かった」「メールで説明するのはどうも苦手、できれば直接電話で質問したい。」などのニーズに応えてくれるレンタルサーバーだったら嬉しいですね。
費用の安いレンタルサーバーは、サポートはメールのみということが多いです。またサポート対応時間も重要です。サポート体制が24時間365日体制だったらいざという時にも安心です。サポート対応は平日のみということも多いのでどのようなサポート体制かを確認しましょう。
サーバー移転のサポート
レンタルサーバーの移転は知識や手間がかかるものです。
今利用しているレンタルサーバーからの移転を検討している場合、レンタルサーバー会社が移転代行やサポートしてくれるサービスもあります。これらのサービスは月額費用とは別途の有料の場合が多いですが自分だけでは不安な場合はサポートしてもらうのも手段の一つです。
法人向け・ビジネス用レンタルサーバーに欲しい機能
バックアップ
安定したレンタルサーバーでもトラブルはつきもの。前述のようなRAID構成のサーバーであってもトラブルは起こりえます。
またサーバー筐体の障害ではなく、「ホームページデータを誤って削除してしまった」、「プログラムの不具合でデータが消えてしまった」、「不正アクセスによりデータが改ざんされてしまった」などが原因でウェブサイトデータを復旧させたいという事態が起こった時ために自動バックアップ機能があるレンタルサーバーを選びましょう。
バックアップはサーバー側で自動で行われるものと自身でサーバーコントロールパネルから手動で行うことができる機能もあります。
また自動バックアップを提供していても、バックアップデータを使って復旧する場合は有料である場合もあります。
WordPressが使える
WWordPressは個人、法人を問わず人気のコンテンツ管理システムです。WordPressはCMSの世界シェアの43.3%だそうです。(W3Techsより2022年2月時点)無料で多くの機能が使え、拡張性の高いブログシステムです。
手軽に美しいホームページやブログを作るのにWordPressは最適です。
WordPressを利用するためにはPHPとデータベース(MySQL)が使えることが必須です。法人向けと言われるレンタルサーバーはPHP,MySQLが利用できるものが多いと思いますが、WordPressを運用する上でチェックしたい機能は
・WordPressの簡単インストール機能がある
・複数WordPressを運用できる(MySQLの数)
・不正アクセス対策がある
でしょうか。
WordPressを手動でインストールするにはphpMyAdminでDBを作成しWordPressのファイル一式をFTPでアップロードして・・・という作業が必要です。
ウェブ初心者は少し敷居が高いかもしれません。しかしレンタルサーバーのコントロールパネルから数カ所入力するだけで簡単にインストールできる機能があれば手軽で失敗もありません。
また複数WordPressを運用したい場合はデータベースが複数作れるかどうかも重要です。
最後に世界シェアNo.1のWordPressですので、不正アクセス被害も多く聞かれます。
不正アクセスの多くは海外からのものであるため、海外IPアドレスのアクセス制限、コメントトラックバック制限、ログイン試行を繰り返すブルートフォースアタックを制限するなど。
そのようなWordPressの不正アクセス対策がレンタルサーバー側で提供されていればより安心です。
常時SSL
常時SSL化とは
「常時SSL化」とは、Webサイト全体をHTTPS化(通信の暗号化)することを指します。 今までは、Webサイト上でパスワードや個人情報等を入力するページ(ログインページやクレジットカード決済ページなど)のみをHTTPS化し、特に重要な情報のみ保護するという形式が一般的でした。 近年では、GoogleなどHTTPS化を推進する組織の働きもあって世間の意識が高まり、Webサイトの常時SSL化が求められています。
JPDirect
常時SSL化で押さえておきたいメリットとデメリット【Webサイト運営者向け】
ウェブサイトのセキュリティ向上などの動きはGoogleやYahoo!JAPANなど大手サイトをはじめ徐々に広がっています。常時SSL化されているサイトはGoogleの評価基準であるためSEO対策の一つであると言われています。
ホームページを常時SSL化するのに必要なサーバー証明書は年数万円するもので中小企業や個人事業主には敷居が高いものですが最近では無料で独自SSLが利用できるレンタルサーバープランも始まってきました。
価格や機能を十分に比較して、あなたの会社にあったレンタルサーバーを見つけてください。